梅雨が明けてギラギラと太陽が照りつけるようになると『土用の丑の日』と大きく書かれたPOPがお店の鮮魚コーナーに並びます。
季節を感じることのひとつに挙げられることの多いこの『土用の丑の日』。一体何者なのか、知っていますか?
『土用の丑の日』ってどんな日?
『土用の丑の日』と聞くと、何か行事や風習の様に感じている人が多いと思います。でも、本当はこれ、ただの日付なんです。
どういうことかと言いますと、その答えは昔の暦、今でいうところのカレンダーの見方に深く関わってくるんです。
暦に関するお話
その昔、西洋と中国ではそれぞれ以下のような暦でした。
「週」(7日)を1サイクル
中国・・・一ヶ月を3分割して
「旬」(10日)を1サイクル
また、十干(10日)を3回繰り返すことを
一月(30日)
十干は、古代中国で考えられた
からなる順番を表す言葉です。
中国の戦国時代、それまで用いていた月の満ち欠けの周期を基にした太陰暦による季節のズレを正し、1年を24等分して季節を表す名称をつけた二十四節気を考案しました。
日本の暦に関するお話
そして、この二十四節気、日本では江戸時代の頃に採用されました。中国の気候が元になっているため、当然、日本の気候に合わないこともありました。そこで、補足として、
などの雑節を取り入れて暦として採用しました。これが日本の旧暦です。
この二十四節気のひとつである『土用』、具体的には、
立夏、立秋、立冬、立春の前の18日間
を指します。
旧暦では、先程書きました十干と、子、丑、寅と続く十二支を組み合わせた60日を一周期として日付を表しますので、丑を含む干支は、乙丑、丁丑、己丑、辛丑、癸丑の五つ。つまり、『土用の丑の日』は、
ということになります。
だから、現在一般的に夏の土用を指す『土用の丑の日』ですが、でも、
秋の土用
冬の土用
ももちろんあるんです。
また、この『丑の日』は12日に1度のサイクルで回るので、土用の18日間の並びによって2回来ることもあり、その場合、一の丑、二の丑と呼びます。
『土用の丑の日』は、何月何日という日付と同じなんですね。
まとめ
これらの暦は、古代中国の自然哲学の思想である五行説や陰陽の思想などとも関わりがあり、今も色々な風習として残っているのはとても興味深いことだなと思います。
季節の変わり目で体調を崩さないようあえて『土用の丑の日』と特別に扱ったのかもしれませんね。